小規模保育園で働くメリット・デメリットを現役保育士が解説

働いて分かった!小規模保育園のメリット・デメリットを現役保育士が解説 転職

近年、増えている小規模保育園ですがどのような保育園なのかまだよく知らないという人も多いと思います。

実は、私自身も小規模保育園のことをよく知らずに転職先候補から外していたことがありました。

でも、実際に働いてみると小規模保育園にはいい所がたくさんあったのです。

この記事では、私が実際に働いてみて感じた小規模保育園のメリット・デメリットをお伝えしていきます。

ぜひ、転職先探しの参考にしてくださいね!

小規模保育園ってどんなところ?

小規模保育園は、以前は認可外施設という位置づけでしたが「子ども・子育て支援新制度」によって2015年から認可施設となりました。

小規模保育園の特徴

・対象年齢は0歳~年度内に3歳になる子ども(0歳クラス~2歳クラス)

・定員は6人~19人まで

・比較的小さなスペースでも運営できる

・家庭的な雰囲気の園が多い

小規模保育園で預かることができる子どもは、0歳クラス~2歳クラスの乳児のみ。

定員は一般的な認可園と比べると少なく、6人以上19名以下とされています。

定員が少ないことで、比較的小さなスペースでも運営でき、マンションの1階部分やビル内につくられる園も多くあります。

子どもの人数が少なく、保育室も小さいためアットホームな雰囲気の園が多いのも小規模保育園の特徴です。

小規模保育園で働いて感じたメリット・デメリット

ここからは、私が小規模保育園で実際に働いて感じたメリットとデメリットを紹介します。

小規模保育園で働くメリット

小規模保育園で働くメリットとしては以下の5つがあります。

  • クラスに関係なく園全体で子どもを見られる環境
  • 子ども一人ひとりとじっくり向き合える
  • 残業や持ち帰り仕事がほとんどない
  • 保育士の精神的負担が比較的少ない
  • 保護者と密に関われる

1つずつ解説していきます。

クラスに関係なく園全体で子どもを見られる環境

小規模保育園の多くは、間取りがワンフロアになっているため、自分のクラスだけでなく園全員の子どもの様子を把握することができます。

私の働いている園も、0歳・1歳・2歳とクラス分けはありますがワンフロアの間取りなので保育室は壁で仕切られていません。

ワンフロア保育室は今まで経験したことがなかったので、始めは自分の保育を他の先生に見られるのが恥ずかしいと感じていました。

でも、実際働いてみるといいことだらけだったのです。

クラスに入っている保育士だけでは、手が足りないときってありますよね。

そんなときに、他のクラスの先生や園長先生が大変さを察して手伝いに来てくれることがあって助かります。

保育室の区切りがないことで「保育士全員で全園児を保育する」ことができるので、とても心強いです。

子ども一人ひとりとじっくり向き合える

小規模保育園は、家庭的な雰囲気を大切にしている園が多いため、ゆったりと子どもと関われます。

私が前の職場を退職したのは、「事務や行事などの作業が多くて保育に集中したくてもできない」という理由から。

書類作業などで直接子どもと関わる以外の業務が多く、保育を抜けて作業することが増えていった前の職場に疑問を感じる毎日でした。

転職した現在の小規模保育園でも書類業務はありますが、子どものお昼寝中にほとんど終わるため保育を抜けて作業する必要がありません。

勤務時間の大半を子どもと関わる時間にあてられるので、子どものちょっとした成長や変化に気づきやすくなりました。

心に余裕ができて以前よりも穏やかな気持ちで保育できていることも、小規模保育園で働いて良かったと感じることです。

残業や持ち帰り仕事がほとんどない

小規模保育園は、一般的な認可園よりも事務的な作業が少ないと感じます。

子どもの人数が少ない分、連絡帳や個人別の指導計画も割と短時間で終わらせることができるのです。

行事や製作活動も少ないため企画や準備に時間を費やすこともほとんどありません。

残業や持ち帰って仕事をする必要がないので、プライベートの時間もしっかり確保できます。

保育士の精神的負担が比較的少ない

小規模保育園は、毎日同じ流れで保育を進めていくことが多いため精神的負担はそれほど大きくないと感じでいます。

もちろん子どもの命を預かる仕事なので、まったくプレッシャーがないわけではありません。

しかし、行事責任者としての仕事や遠足などの特別活動がある認可園に比べると、精神的な負担は少ないと思います。

私は認可園で働いていたとき、大勢の前で話すことが苦手だったので行事担当として司会をするときは何日も前からとても緊張していました。

子ども達を遠足に連れて行くときも、かなりプレッシャーに感じていたのを覚えています。

それに比べると、小規模保育園は精神的な負担が少ないといえるでしょう。

保護者と密に関われる

小規模保育園は保護者の人数が少ないため、一人ひとりの保護者と密に関わることができます。

保育園で主に保護者と顔を合わせるのは、送り迎えの時間だと思います。

人数が多い認可園では、送り迎えの時間になかなか一人ひとりの保護者とゆっくり話す時間が取れないこともあるでしょう。

私が認可園に勤めていた時も、同じ時間に送り迎えに来る保護者が多くいて、ゆっくり話す時間が取れず悩んだこともありました。

小規模保育園は保護者の人数が少ない分、送り迎えの時間が重なることも少なくゆっくりとコミュニケーションを取れると感じています。

保護者と密に関われるので、信頼関係も築きやすくなるでしょう。

小規模保育園で働くデメリット

デメリットだと感じることも3つありました。

  • 2歳クラスまでの成長しか見られない
  • 施設内が狭い
  • 体力を消耗する

詳しく解説していきます。

2歳クラスまでの成長しか見られない

小規模保育園では、2歳クラスが終わると全員卒園になるので3歳クラス以降の成長は見られません。

0歳〜2歳の時期を見守ってきた立場としては、これからの成長も見ていきたいと強く感じます。

「○○先生」と名前で呼んでくれるようになって、どんどんできることが増えてきたタイミングで送り出さなければいけないのはとてもさみしいことです。

でも中には卒園後も遊びにきてくれる子がいたり、近くの保育園に転園した子は散歩先の公園で会えたりもします。

久しぶりに会った子どもの成長に驚かされたり、偶然会えた時の嬉しさを感じられることは小規模保育園の保育士ならではの喜びかもしれません。

施設内が狭い

一般的な認可園と比べて、スペースが狭いことも小規模保育園のデメリットだと感じます。

保育室が狭いと、子どもが思うように遊べず活動が制限されたりストレスになることも。

「室内でもっと身体を動かしたいけど、スペースが足りない」「玩具を増やしたいけど収納スペースがない」などの理由で諦めたこともありました。

限られたスペースの中で子どもが楽しく、安全に過ごせるような工夫や配慮が常に必要になってきます。 

また、園が狭いと保育士の休憩スペースが十分に確保されていない、なんてことも。

園見学に行く際には、施設が狭いというデメリットに対してどのような配慮がされているかなどを、しっかり確認した方が良いでしょう。

体力を消耗する

乳児クラスは、幼児クラスよりも体力的に楽だと思っている人も多いかもしれません。

でも実は逆で、幼児を相手にするよりも乳児保育の方が体力を消耗します。

0歳児クラスは、一日の中でおんぶや抱っこをしている時間がとても長いのです。

長時間子どもを抱えていることで腰痛や肩こり、筋肉痛などを起こしやすくなります。

1~2歳クラスは、活発に動き回る子どもを追いかけることが多くかなり体力を使います。

体力にあまり自信がない人や、腰痛や肩こりがある人は体力的にキツイと感じてしまうかもしれません。

なぜ私が小規模保育園で働くことになったのか

私は数回の転職を経て、現在は小規模保育園の保育士として働いています。

今の職場に出合ったときの転職活動では、小規模保育園についてよく知らずに選択肢から除外していました。

幼児クラスの経験が多かったこともあり、5歳クラスまである認可園を希望していたのです。

しかし、転職紹介サービスの担当者から小規模保育園を紹介されました。

「行事に追われることなく、日々の保育に専念したい」「子ども一人ひとりに寄り添いたい」という私の希望条件が小規模保育園に合っていると思われたのかもしれません。

認可園しか考えていなかったので、始めはあまり乗り気でなかったけれど紹介された小規模保育園に見学に行ってみました。

すると、今まで認可園にこだわっていた私の考えがすっかり変わってしまったのです。

「行事に追われることなく、日々の保育に専念したい」「子ども一人ひとりに寄り添いたい」という理想の働き方が小規模保育園なら叶えられる。

「ぜひこの園で働きたい!」と思うようになり今の職場である小規模保育園に転職することにしたのです。

小規模保育園はこんな人におすすめ

小規模保育園は、以下のような人におすすめです。

  • 一人ひとりの子どもとじっくり関わりたい人
  • 乳児専門の保育士になりたい人
  • 保護者と密に関わりたい人

一人ひとりの子どもとじっくり関わりたい人

私が、小規模保育園に勤めて感じた一番の良いところは「一人ひとりの子どもとじっくり関われること」です。

もし保育士をしている友達に、「子どもとじっくり関われる保育がしたい」と相談されたら小規模保育園を強くすすめると思います!

小規模保育園は、行事やカリキュラムのように「子どもに何かをやらせる保育」ではなく、自由に遊ぶ時間が中心です。

「子どもとじっくり関わりながら小さな成長を感じたい」「落ち着いた環境の中で子どもの生活を見守りたい」という人には、とても合っていると思います。

乳児専門の保育士になりたい人

乳児保育だけを行っていきたいという人にも小規模保育園がおすすめです。

「幼児保育は十分経験したからこれからは乳児保育のみをやっていきたい」という人や、「乳児期の成長に関わりたい」人もいるでしょう。

認可保育園のように対象年齢の幅が広いと、乳児クラスを担当したくても希望が通らず幼児クラスの担任ばかり続くことも珍しくありません。

その点、小規模保育園は乳児クラスのみなので、乳児保育の経験を積むことができます。

乳児保育のプロになりたい人は、ぜひ小規模保育園で働くことを視野に入れてみてくださいね。

保護者と密に関わりたい人

保護者の悩みに寄り添いたい人は、小規模保育園がおすすめです。

小規模保育園は子どもの人数が少ない分、送り迎えの時間に混み合うことが少なく保護者とゆっくり話す時間をつくりやすいです。

保護者の人数が少ないため、顔と名前も覚えやすく自分のクラス以外の保護者とも積極的にコミュニケーションを取ることができます。

保育士全員で一人ひとりの保護者と関われるので、さまざまな視点から保護者を支えていけるでしょう。

保護者支援に力を入れていきたい人には、小規模保育園がピッタリだと思います。

まとめ

実際に小規模保育園で働いていてみて感じたメリット・デメリットを解説しました。

小規模保育園は、子どもや保護者一人ひとりに寄り添った保育ができ、乳児保育を極めたい人にはとてもおすすめな保育園です。

アットホームな保育園で働きたい人は、ぜひ小規模保育園への転職も考えてみてくださいね。

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